大田区の外国人滞在施設経営事業特定認定手続き代行、簡易宿所申請手続き代行

大田区特区民泊条例徹底解説

この記事を執筆している本日(平成28年1月26日)、「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する規則」と「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関するガイドライン」が発表されました。

これは既に制定されていた「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例」について、より具体的な内容を定めるものです。

これによって大田区では平成28年1月29日より申請が受け付けられることが明確になりました。

規則とガイドラインが発表されたことで、これまで不明だった手続きに関する事項がかなり判明したので、現時点でわかっている事項について大田区の資料にもとづいてまとめてみました。

(※平成28年1月27日の大田区による説明会の内容を反映しました。)

なお、一部わかりやすさのために法的な正確さを少し犠牲にしてる部分がありますのでご了承ください。

非常に長いうえに細かいので、目次を利用しながら気になる部分を中心に読んでもらうのもいいかもしれません。

この記事の最後に、大田区特区民泊に関する法律や条例等の条文をまとめておきますので、条文を直接読みたい方はご利用ください。

目次

特定認定の要件

特定認定を受けるための要件も、これまでわかっていたもの、今回判明したものも合わせてかなり詳細にわかってきたので、以下にまとめてみました。

一般的な住宅を使用する場合に設備面で問題になる可能性が高いのは、居室に関する施錠の部分でしょうか。

滞在期間

施設を使用させる期間は6泊7日以上であること。

居室:面積

一居室の床面積は、寝室のほか、台所、浴室、便所及び洗面所並びに専用部分の玄関及び廊下を含めて、壁芯を基準に計算して 25 平方メートル以上であること。

壁の内側ではなく、壁の芯を基準に計算します。

また、施設の最大滞在者数に対して、3平方メートルあたり1名を超えてはなりません。

居室:施錠

出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。

居室:区画

出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること。

パーテーションなどはNGです。

居室:設備

適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること。なお、排水は、下水道接続であること。

また、冷房及び暖房設備は、室温を調整する機能付きとすること。

住居で、一般的なエアコンが設置されていれば問題ありません。

居室:台所

上水道接続の流水設備及び調理の出来る場所を設けること。

居室:浴室

上水道接続の流水設備及び浴槽を設けること。

居室:トイレ

水洗かつ洋式トイレであること。

手洗い設備及び温水洗浄便座の使用水は、上水道接続であること。

居室:洗面設備

台所と別に設けた上水道接続の流水設備があること。

居室:器具等

寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること。

なお、調理器具は、電子レンジ、コンロ等の加熱器具を設けること。

また、清掃用具は、雑巾、ごみ箱及び 掃除機又はほうき・ちり取り等を備えること。

清潔な居室の提供

施設の使用の開始時に、次の措置が講じることができる体制が整えられていること。

  • 施設設備は清掃し、必要に応じて補修及び消毒を行い、清潔で衛生上支障ないこと。
  • 廃棄物がないこと。
  • 調理器具やコップ等飲食用の器具は、洗浄した清潔なものを用意すること。
  • 敷布又はシーツ、布団カバー、枕カバー等は、洗濯した清潔なものを用意すること。

掃除をし、ゴミを捨て、食器を洗い、洗濯をするということです。通常のホテルや旅館の部屋の状態を想像してもらうと近いでしょう。

外国人旅客の滞在に必要な役務:施設を事業に使用するための正当な権利

施設を事業に使用するための正当な権利を有すること。

物件を所有していたり、所有者から特区民泊に使用する目的で借りているなど、特区民泊として使用するための権利をちゃんと持っているということです。

特区民泊事業者の義務:申請時

特区民泊の特定認定を受けようとする事業者および特定認定を受けた事業者には多くの義務が課されます。

最も問題となる可能性があるのは近隣住民への周知でしょう。

近隣住民への周知、説明の結果として一切の反対意見が無いということまでは必要とされていませんが、どの程度近隣住民の理解を得るよう努めたかは審査に影響を与えます。

外国人旅客の滞在に必要な役務:施設の使用方法

施設の滞在者に対し、使用開始時に、次に掲げる点を含めた施設使用の際の注意事項を外国語で説明ができる体制がとられていること。

  • 施設内に備え付けられた設備の使用方法
  • 廃棄物の処理方法(廃棄物集積場所、排出日時等)
  • 騒音等により周囲に迷惑をかけないこと。
  • 火災等の緊急事態が発生した場合の通報先(警察、消防、事業者等)及び初期対応の方法(防火、防火設備の使用方法を含む)

外国人旅客の滞在に必要な役務:廃棄物の処理方法

適切な廃棄物処理がなされるように、必要な措置、体制がとられていること。

なお、ゴミは一般ゴミではなく、事業系ゴミとして処理しなければなりません。

例えば、廃棄物は滞在者が適切に集め、居室の廃棄物の排出は、事業者(委託者)が行い、廃棄物の処理方法は、施設内に表示するなど。

外国人旅客の滞在に必要な役務:緊急時における外国語を用いた情報提供

災害や急病、事故等の緊急時に、外国語による避難や救急医療等に関する情報を、電話や現場で迅速に提供することができる体制を整えていること。

外国語の案内が備え付けてあること。

外国人旅客の滞在に必要な役務:違法な行為の防止について

滞在者が施設の使用を開始する時、及び滞在者が施設の使用を終了する時に、対面(滞在者が実際に施設に所在することが映像等により確実に確認できる方法)により、 滞在者名簿に記載の滞在者と実際に使用する者が同一の者であることを確認できる体制であること。

例として以下のようなものが挙げられています。

  • 現場で対面による確認及び旅券等の確認並びに滞在者名簿との確認
  • 現場でないところでの対面による確認及び旅券等の確認並びに滞在者名簿との確認
  • 滞在者が実際に施設に所在することが映像等(テレビ電話等)により確実に確認できる方法

外国人旅客の滞在に必要な役務:消防法令

認定を受けようとする施設の存する建物について、消防法令で義務付けられている設備等が設置されていること。

近隣住民への周知

特定認定を受けようとする者は、あらかじめ、下記のとおり、当該特定認定に係る事業計画の内容について近隣住民に周知しなければならない。その際には、適切に周知、説明し、近隣住民の理解を得るように努めなければならない。

周知内容は以下のとおりです。

  • 特定認定を受けようとする者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)
  • 施設の名称及び所在地(部屋番号まで)
  • 住民からの苦情等の窓口の連絡先(担当者名、所在地、電話番号)
  • 廃棄物の処理方法
  • 火災等の緊急事態が生じた場合の対応方法

周知範囲は以下のとおりです。

  • マンション等の集合住宅の場合は、集合住宅内の使用者全員
  • 隣接する建物の使用者(建物の外壁間の距離が20メートルを超える建物を除く)
  • 敷地の境界線の距離が、道路や公園を挟んで10メートル以下の建物の使用者

また、近隣住民からの苦情を受けるための窓口も設置しなければなりません。

周知の方法は、例えばポスティングが挙げられます。これに関して問い合わせや意見などがあった場合には、その経緯等を報告書に記載しなければなりません。

実施地域

  • 第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域
  • 第1種住居地域の場合、床面積3,000 ㎡以下
  • 実施可能の用途地域と実施不可の用途地域にまたがる建築物については、その敷地面積が実施可能の用途地域の方が50%を超える場合実施可能。

特定認定に必要な書類

特定認定申請のためには多くの書類が必要となります。必要な書類は以下のとおりです。

  • 特定認定申請書
  • 法人の場合は定款又は寄附行為及び登記事項証明書、個人の場合は住民票の写し(いずれも6ヶ月以内のもの)
  • 賃貸借契約及びこれに付随する契約に係る約款(外国語表記とその日本語訳)
  • 施設の構造設備を明らかにする図面
  • 滞在者名簿の様式
  • 施設を事業に使用するための権利を有することの証明書類
  • 近隣住民へ周知した書面及びどのように周知したかを記載した書面
  • 消防法令に定める手続きを行ったことが確認できる書類

順に説明していきます。

特定認定申請書

申請書本体と別紙の2つを提出します。

記載内容は、

  • 申請者の氏名、住所、連絡先(法人の場合には名称、事務所所在地、代表者の氏名、連絡先)
  • 施設の名称
  • 施設の所在地
  • その行おうとする事業の内容
  • 施設の構造設備の概要並びに各居室の床面積、設備及び器具の状況
  • 施設内の清潔保持の方法
  • 提供する外国人旅客の滞在に必要な役務の内容及び当該役務を提供するための体制
  • 施設のホームページアドレス

です。

書式→特定認定申請書(PDF)特定認定申請書(Word)

法人の場合は定款又は寄附行為及び登記事項証明書、個人の場合は住民票の写し

定款?寄附行為?という方もいらっしゃるかもしれませんが、会社や法人を作ったときの書類の中にあるはずなので確認してみてください。

登記事項証明書は、法務局で履歴事項全部証明を取得すればOKです。

住民票はマイナンバーの入っていないものを用意します。

外国人で住民票が無い場合には、申請者の実在性を確認することができる書類が必要になります。

賃貸借契約及びこれに付随する契約に係る約款(外国語表記とその日本語訳)

これは認定を受けた事業者と、施設の利用者の間の賃貸借契約書や約款を指します。大家さんから借りたときのものではありません。

この契約には以下の条項が含まれていなければなりません。

  • 7日以内の解約できない旨(やむを得ない事情等でキャンセルがあり、実際の滞在は7日未満であっても、契約期間中の重複した別契約は認められない。)
  • 施設滞在者は、日本語又は対応外国語に対応できる者であること。
  • 日本に住所を有しない外国人は旅券、日本人及び日本に住所を有する外国人の場合は、旅券又は運転免許証等の身分証明書の呈示を義務付ける条項
  • 施設使用の際の外国語を用いた注意事項の遵守の条項
  • 対応できる外国語の種類
  • 各施設で提供する役務

2つ目の要件は、「日本語または対応外国語に対応していない人は泊められない」という意味にも思えますが、大田区ではそこまでは要求されないとのことです。

施設の構造設備を明らかにする図面

換気設備、採光、暖房、冷房、台所、浴室、便所及び洗面設備の記載のある平面図等が必要になります。

滞在者名簿の様式

施設で使用する滞在者名簿の様式を提出します。

  • 滞在者の滞在期間
  • 氏名、住所、連絡先及び職業
  • 国籍及び旅券番号

の項目を備えていなければなりません。

施設を事業に使用するための権利を有することの証明書類

施設の所有者の場合には不動産登記事項証明書、賃貸の場合には、所有者と申請者の間の賃貸借契約書(契約書で転貸が可能と判断できない場合には転貸を承諾する書面)を提出します。

近隣住民へ周知した書面及びどのように周知したかを記載した書面

近隣住民へ周知した書面と、どのように周知、説明、近隣住民の理解を得たかを記載した書面を提出します。

消防法令に定める手続きを行ったことが確認できる書類

消防法令で定める手続きを行ったことが確認できる書類を提出しなければなりません。

具体的には消防による検査結果の通知書などです。ただし、消防の検査をパスしたからといって、必ず特定認定を受けられるわけではありませんので注意が必要です。

特定認定申請書提出から認定まで

特定認定申請書を提出したあとは、大田区の現地調査を経て、審査に合格すれば特定認定を取得できます。

申請の流れは大田区のガイドラインから引用した下の図が参考になります。(画像クリックで大きい画像が表示されます。)

審査にかかる時間は2週間程度と見込まれていますが、実際にどの程度の時間がかかるかは運用が始まってみなければわかりません。

申請が殺到したりすればもっと時間がかかる可能性もあります。

特定認定を受けると、認定時に大田区から事業者にステッカーが配布されるので、事業開始までに玄関扉付近に貼り付ける必要があります。また、施設の名称と所在地の一覧表が大田区のホームページに公開されます。

認定事業者の義務:認定後

特定認定を受けた後にも様々義務がありますので、それを以下に紹介します。申請時の義務と重複するものについてはここでは省きます。

必要事項を記載した滞在者名簿を備え、保管場所を明確にしておくこと。

日本人及び日本に住所を有する外国人の場合は、本人と確認できる顔写真付きの身分証明書(例:運転免許証)等で本人確認を行うこととする。

外国人の場合は、記載の正確性を担保する観点から当該滞在者に旅券(パスポート)の呈示を求め本人確認を行うとともに、旅券のコピーを滞在者名簿とともに保存すること。滞在者名簿は、3年以上保存すること。

なお、これらがあれば、滞在者名簿の氏名、国籍及び旅券番号の記載は省略してもよい。

この内容は契約約款に記載し確実に履行できるようにすること。

状況確認と通報義務

認定事業者は、契約期間中に、滞在者本人が適切に施設を使用しているかどうかについて、状況の確認を行うとともに、挙動に不審な点が見られる場合や違法薬物の使用や売春などの法令に違反する行為が疑われる場合には、速やかに最寄りの警察署に通報すること。

認定事業者の求めにもかかわらず、当該滞在者が旅券(パスポート)の呈示を拒否する場合には、当該措置が区の指導により行うものであることを説明して呈示を求め、更に拒否する場合には、当該滞在者は旅券不携帯の可能性があるものとして、最寄りの警察署に連絡する等適切な対応を行うこと。

警察の捜査への協力義務

警察等の捜査機関の職員から滞在者名簿の閲覧請求があった場合には、捜査関係事項照会書の交付の有無にかかわらず、当該職務の目的に必要な範囲内で協力すること。

また、 滞在者に係る不審事案の有無に関する警察官等の質問に対しては、積極的に協力すること。

変更の認定

認定事業者は以下の事項を変更しようとするときは、都道府県知事の認定を受けなければならない。

  • 施設の名称及び所在地(地域の名称の変更又は地番の変更に伴う変更を除く。)
  • 施設の構造設備の概要
  • 施設の各居室の床面積
  • 施設の各居室の設備及び器具の状況
  • 施設内の清潔保持の方法
  • 提供する外国人旅客の滞在に必要な役務の内容及び当該役務を提供するための体制
  • 滞在者が日本国内に住所を有しない外国人であることを確認する方法

認定を要しない変更

以下の軽微な変更については、変更を行った日から10日以内に変更届を都道府県知事に提出しなければならない。

  • 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
  • 施設の名称又は所在地の変更(地域の名称の変更又は地番の変更に伴う変更に限 る。)
  • 特定認定を受けようとする者の電話番号その他の連絡先
  • 施設のホームページアドレス

認定事業の実施状況についての報告

大田区から認定事業の実施状況について報告を求められた場合には、報告をしなければならない。

近隣住民から騒音やごみの廃棄方法等の苦情があった場合は、大田区の指導を受け、適切かつ速やかに対応できる体制を整備し、近隣住民の理解を得るようにしなければならず、その際の近隣住民とのやり取り、交渉経緯等を報告しなければならない。

事業の廃止の届出

認定事業者が事業を廃止した場合には、廃止から10日以内に廃止届を提出しなければならない。

特定認定の取消し

以下のどれかに該当してしまったときには、特定認定が取消されることがあります。

  • 特区民泊ができないようになるような認定区域計画の変更の認定があったとき。
  • 特区民泊ができるという認定区域計画の内閣総理大臣認定が取り消されたとき。
  • 認定事業者が行う認定事業が法律の求める要件に該当しなくなったと認めるとき。
  • 認定事業者が不正の手段により特定認定を受けたとき。
  • 認定事業者が変更認定および軽微な変更の届出義務に違反したとき。
  • 認定事業者が認定事業の実施状況について報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
  • 施設を事業に使用するための権利を有していない場合
  • 認定を受けようとする施設の存する建物について消防法令で義務付けられている設備等が設置されていない場合
  • 施設の滞在者に対する廃棄物の処理方法の周知等滞在に必要な役務の提供が適切になされていない場合
  • 苦情対応が適切になされない場合(例えば、近隣住民とのトラブルから外国人滞在施設経営事業が円滑に実施できなくなり、その結果として施設の滞在者の平穏な滞在に支障が生じるに至った場合等)

関連法令まとめ

行政書士法人シグマでは、特区民泊の認定手続きの代行を承っています。

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