大田区の外国人滞在施設経営事業特定認定手続き代行、簡易宿所申請手続き代行

民泊条例は民泊需要を満たすもの?

こんなニュースが出ました。

民泊、「簡易宿所」で面積基準緩和 政府、貸し主の届け出促す

産経新聞 1月12日(火)19時40分配信

マンションの空き部屋などに有料で旅行客を泊める「民泊」をめぐり、政府は12日、平成27年度内にも規制を一部緩和する方針を決めた。民泊をカプセル ホテルなどと同様に旅館業法上の「簡易宿所」と分類した上で、面積基準などを緩和する。ヤミ営業による近隣トラブルが多発する実態を踏まえ、許可申請の ハードルを下げることで貸主に適法な営業を促す。

厚生労働省と観光庁の有識者会議が同日、方針を示した。客室の延べ床面積を最低33平方メートルとする基準や、帳場の設置義務を定めた政令を見直す。首都圏などのホテル不足が深刻化する中、国会審議が不要な政令改正などで規制を一部緩和する。

一方、家主が自宅の一部を貸し出す「ホームステイ型民泊」のさらなる規制緩和や、仲介事業者への規制のあり方に関しては、5月を目標に方向性を固める。

//headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160112-00000561-san-bus_all

これを読むと、「あれ?民泊条例はどうなるの?」と思う方もいるかもしれませんね。

民泊条例と民泊

ニュースなどでは(当サイトでも)一般に「民泊条例」と呼ばれている条例の正式名称は、大田区の場合「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例」と言います。

嫌になるくらい長ったらしいですね。

でもこれを見るとどこにも「民泊」という言葉が出てきません。「民泊条例」というのはあくまでも通称であって、条例に「民泊」という言葉が使われているわけではありません。

民泊に泊まるのは宿泊?賃貸?

ここで一度脇道にそれて考えてみたいのが、ホテルと賃貸マンションの違いです。

ホテルも賃貸マンションも、人が所有している部屋にお金を払って一定期間滞在するのは同じですね。

では「宿泊」と「賃貸」はどのように区別されているのでしょうか。

おおむね以下基準を満たすと「宿泊」とされ、旅館業の許可が必要になります。

  • 宿泊料を受けていること
  • 寝具を使用して施設を利用すること
  • 反復継続の意思を持ち社会性を有して営業している
  • 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること
  • 宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業していること
  • 期間が1ヶ月未満の契約をしていること

ここから考えると、民泊は宿泊施設であるようにも思えますが実際はどうでしょうか。

ちなみにAirbnbは上記の基準全てに当てはまるため、旅館業の許可を取らずに反復継続して事業として行っている場合には違法です。グレーではなく明白に旅館業法違反です。

民泊条例ではどうか

では民泊条例に基づいて認定を取得した場合はどうでしょうか。

ここで法律の条文を読んでみましょう。

民泊条例のもとになっている国家戦略特別区域法の第13条から一部抜粋してみます。

・・・国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(国家戦略特別区域において、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに・・・(太字筆者)

答えが書いてありました。

民泊条例は賃貸借契約です。宿泊契約ではありません。

つまり、「本来は1ヶ月未満の賃貸借契約の場合には旅館業の許可を取らないといけないけど、外国人滞在施設経営事業のときには旅館業法の特例としてこれを緩和して最低7日にするよ」ということなんです。

ここからは推測ですが、おそらくこれはホテル・旅館業界に対する配慮です。

ここを「最低1泊からOK」としちゃうと、ホテルや旅館の人が怒るでしょう。

ホテルや旅館を経営している人は、厳しい基準をクリアして、運営上も多大な労力を払っているのに、より緩い規制でOKな外国人滞在施設経営事業者が、自分たちと同じビジネスが出来てしまうということになりますから当然ですね。

民泊条例は民泊需要を満たすものではないかもしれない

このように、今回大田区で制定された民泊条例は、宿泊ではなく賃貸なんです。

本来旅館業の許可を取らなければいけない形態の賃貸借契約が特例で認められるよ、という話なわけです。

一方でAirbnbを利用した民泊というと、1週間も滞在するケースは少ないです。Airbnbの発表では、利用者の平均滞在日数は3.8泊だそうです。

こう考えてみると、「民泊条例」と呼ばれてはいますが、必ずしもAirbnbのような民泊需要を合法化して満たすというものではないのがわかります。

とは言えこのような制度ができた以上、無許可の民泊のリスクは高まるでしょうから、ある意味では規制緩和というだけではなく、規制強化という見方もできるかもしれません。

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