大田区の外国人滞在施設経営事業特定認定手続き代行、簡易宿所申請手続き代行

近隣住民への周知(特区民泊)

ここでは大田区で特区民泊を開始する上で避けては通れない手続、「近隣住民への周知」について、誰に周知する必要があるのか、そして、どのような方法によるべきなのかという点について説明したいと思います。

特区民泊全体については、「大田区特区民泊条例徹底解説」で詳しく説明しています。

誰に周知する?

まず、誰に周知する必要があるのかという点についてですが、大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する規則をご覧ください。

(近隣住民の範囲)

第9条 条例第4条に規定する当該特定認定に係る事業計画の内容を周知する近隣住民とは、次に掲げる者とする。

(1) 当該特定認定を受けようとする事業で使用する施設の存する建物に他の施設が存する場合の当該他の施設の使用者

(2) 次のア又はイに掲げる建物(一方の建物の外壁から他方の建物の外壁までの水平距離が原則として20メートルを超えるものを除く。)の使用者

  • ア 当該特定認定を受けようとする事業で使用する施設の存する建物の敷地の境界線に接する敷地に存する建物の使用者
  • イ 当該特定認定を受けようとする事業で使用する施設の存する建物の敷地の境界線から道路、公園等の施設を挟んで隣接する建物の敷地の境界線までの水平距離が原則として10メートル以下である場合の当該建物の使用者

これをみると、(1)で特区民泊事業をしようとする施設の中にいる他の使用者に周知する必要があることがわかります。これはマンションを想定しているもので、マンションの一室を事業に利用する場合、同じマンションの住民に周知する必要があるということです。

この条文を見ればわかる通り、「使用者」に対して周知する必要があります。この点、分譲マンションであれば、所有者と使用者が一致する可能性が高いですが、賃貸マンションでは使用者とは別の人が所有者である可能性が高いです。条文上あくまで「使用者」に対して周知すればよいので、賃貸マンションの所有者に周知する必要はありません。つまり、使用者すなわち実際に住んでいる人に周知すればよいので、事実上分譲マンションと賃貸マンションで周知の範囲が異なることはありません。

(2)のアによれば、事業で使う建物に接する敷地にある建物使用者に周知する必要があります。例えば、住宅が並ぶ地域の一角で特区民泊事業をする場合、お隣さんに周知する必要があるということです。

(2)のイによれば、事業で使う建物が道路等に囲まれている場合であっても、その道路を挟んで隣接する建物の使用者には周知する必要があるということです。

これは隣接していない建物の使用者であっても、特区民泊事業によって迷惑がかかる可能性がある以上、周知範囲に含まれています。ただ、国道のような大きな道路がある場合などは、形式的に道路を挟んで隣接していたとしても、それほど迷惑は掛からないといえるため、水平距離で10メートル以内というように限定してあります。

ここで条文をよく見ると、(2)には「ア又はイ」と書かれています。

「又は」ということはどちらか一方ということですから、例えば、隣接する土地に建物があって、しかも、道路を挟んで隣接する土地に建物があるという場合、どちらか一方のみにしか周知しないで済むというようにも読めます。

たしかに形式的にはそのように言えますが、後になって問題が生じることを避けるためにも、できる限り広範囲に周知するべきといえます。

また、周知の範囲について判断に迷うようなことがあれば、事前相談の段階で保健所とよく相談する必要があります。

どうやって周知する?

次に、どうような方法によるべきかという点について説明します。

さきほど紹介した規則の第10条はこのように規定されています。

(近隣住民への周知)

第10条 条例第4条の規定による周知は、次に掲げる事項について書面により行うものとする。

  • (1)特定認定を受けようとする者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)
  • (2)施設の名称及び所在地
  • (3) 近隣住民からの苦情等の窓口の連絡先(担当者名、所在地及び電話番号)
  • (4) 廃棄物の処理方法
  • (5) 火災等の緊急事態が生じた場合の対応方法

このように、周知は以上の内容を記載した書面により行う必要があります。

周知は、この書面を手渡しで配布する対面によることが、口頭での説明を加えられるためより理解を深めてもらえるだけでなく、情実にも訴えることができるため、ベストといえます。ただ、マンション等の場合、そのマンションの住民全員に対面で周知を行うことは現実的とはいえません。よって、書面をポストに投函するポスティングによることが現実的な手段といえるでしょう。

実際、大田区としても対面での周知までは要求しておらず、周知を確実に行うことができるのであればよく、その中でもポスティングが最も妥当な手段であると考えているようです。

また、分譲マンションであれば管理組合が存在しているので、管理組合を通じて周知するという手段もあります。

管理組合は区分所有者を構成員とするものなので、賃貸マンションには存在しませんが、賃貸マンションにも自治会は存在するでしょう。そのため、賃貸マンションであれば、自治会を通じて周知するという手段もあります。

分譲と賃貸でこのような差はありますが、どちらにしても個々の部屋のポストに直接周知書面を投函するようないわば「非公式」な手段よりも、管理組合や自治会を通じて周知するいわば「公式」な手段の方が、後の問題発生を避けるためにも良いかもしれません。

まとめ

特区民泊事業が近隣住民の生活に大きな影響を与える可能性がある以上、その周知は、近隣住民の生活のために大切な手続です。

事業者からすると苦情や反対意見が来たりする可能性もあり、あまり気が乗らない手続きかもしれませんが、円滑に特区民泊事業を行うために、周知の範囲、方法については、後の不安要素を除去する意味でもできる限りのことをする必要があります。

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