大田区の外国人滞在施設経営事業特定認定手続き代行、簡易宿所申請手続き代行

分譲マンションと特区民泊

※この記事は平成28年1月12日に書かれました。

大田区と大阪府の民泊条例比較」で、大阪府の条例では分譲マンションで特区民泊が行われることを想定されていると書きましが、今回は、分譲マンションと特区民泊について書いていきます。

まずは、このニュースをご覧ください。

 「分譲マンションで民泊、規約改正必要」 国交省が見解

住宅新報 12月22日(火)18時50分配信

国土交通省はこのほど、標準管理規約を採用している分譲マンションで国家戦略特区法に基づく民泊(以下、特区民泊)を行う場合、規約の改正が必要との見解を示した。標準規約第12条で専有部分を「専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定しており、民泊を実質的に禁止としているため。12月22日の定例会見で石井啓一国土交通大臣が明らかにした。

特区民泊は来年以降、複数の自治体が実施に踏み切るとみられる。一方、特に分譲マンションでは、一部の住戸が管理組合に無断で民泊用に貸し出されトラブルとなっている事例が発生している。国交省の見解は、こうした実態を踏まえたものとみられる。

//headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151222-00000005-jsn-ind

このニュースを解説しながら、分譲マンションと民泊について考えてみます。

管理規約を持つ分譲マンションの割合

まず、分譲マンションには管理組合が存在します。これは「建物の区分所有等に関する法律」という法律で決まっています。

全国の管理組合のうち、管理規約を持つものは全体の98.4%に上ります(『平成25年度マンション総合調査結果について』国土交通省)。

つまり、ほとんどの管理組合が管理規約を有していることになります。

そして、そのうちの48.4%がニュースにもある標準管理規約を採用しています(同上)。標準管理規約とは、いわば、分譲マンション管理規約の定型ともいうべきものです。

分譲マンションでは特区民泊ができない?

ニュースでは、現在の標準管理規約からすると特区民泊は実質的に禁止されているという国土交通大臣の見解が報道されました。

なお、この見解に基づき通達が出る流れでしたが、これについては政府内からの反対があり、平成28年1月12日現在、未だ通達は出ていません。

たとえ今後通達が出たとしても、特区民泊が禁止されるのは、公表されている標準管理規約をそのまま採用していた場合であり、個々の管理組合が標準管理規約を変更することが可能なため、それによって特区民泊ができるようになる可能性もあります。

しかし、標準管理規約の変更には、その管理組合の組合員の4分の3以上の同意が必要です。

少し不正確ではありますが、わかりやすくいえば、その分譲マンションに住んでいる人の4分の3が民泊を認めようと考えなければ、民泊ができないということです。

管理規約の変更は非現実的か

4分の3以上の同意が必要となると、かなり高いハードルでしょう。分譲マンションに住んでいて、管理組合の理事をやったことのある方なんかは身にしみているのではないでしょうか。

ましてや、民泊が衛生面や防犯面、近隣住民に対する迷惑という懸念事項が存在する現状からすれば、なおさらです。

他方、分譲マンションを購入する人の中には、いつかは人に貸すことを想定している人もいるでしょう。そうであるとすれば、特区民泊ができる方向に管理規約が変更される可能性もゼロではありません。

ただ、上記の調査では「永住するつもりがあるかどうか」という問いもあり、「永住するつもり」と答えた人は半数を超えています。しかも、その数字は平成20年度の前回調査よりも上がっており、また、高齢者になるにつれてその割合は多くなるようです。

永住意識は既に半数を超えており、しかも、高齢化社会はますます進んでいます。このような状況で4分の3という数字はかなり高いハードルであり、実質的に不可能といっても過言ではない気がします。

標準管理規約を採用していないマンションでは

また、標準管理規約を採用していない管理組合では、それぞれカスタマイズされた管理規約が採用されています。とはいえ、概ね標準管理規約に類似したものであることが多いでしょうから、それほど状況に差異はないと考えられます。

このように考えると、既存の分譲マンションでは民泊が実質的に禁止されていると言えるかもしれません。ただし、特区民泊というものに対する理解が浸透すれば、この状況は変わる可能性もあるでしょう。

民泊用マンション

では、次に、特区民泊が可能な分譲マンションを一から建設することを想定してみましょう。つまり、最初から特区民泊が認められている管理規約がある分譲マンションを建てればどうでしょう。

これを投資用マンションとして考えた場合には、通常の賃貸住宅として運用するよりも、特区民泊として運用した方が利回りが良ければ、より高く売却することができるかもしれません。

もちろん不確定要素もあるため必ずしも高く売れるとは限りませんし、投資目的の人が購入しない場合には、居住用として販売することになりますが、その際には「特区民泊可」という管理規約は値下げ要因になるかもしれません。

これらはあくまで予想に過ぎませんし、現状では不確定要素が多いため、この先どうなるかは読めない部分も大きいです。

おわりに

このように考えると、分譲マンションで適法に特区民泊をすることは難しい面があります。

他方で、分譲マンションにおいて違法な民泊事業を行っている者がいるという現状があり、今後民泊条例が運用されていくことになれば、「やったもの勝ち」で法律を守っている人がバカを見るようなことの無いよう、ヤミ民泊の取り締まりをはじめとしたしっかりとした対策が重要な課題になるでしょう。

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