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どんな民泊サービスが違法なの?

違法な民泊って?

2015年12月、京都市でマンションを観光客用のホテルに代用したとして、旅館業法違反(無許可営業)の疑いで、逮捕者が出ました。

このニュースを耳にした時、民泊って違法なの?と思った方も多いはず。そこで、どういう場合に違法となるか説明していきます。

参考記事:無許可民泊、3社を書類送検 旅館業法違反で京都府警(京都新聞) 2015年12月16日

京都市右京区のマンションを観光客用のホテルに代用したとされる事件で、京都府警生活経済課と右京署は16日、旅館業法違反(無許可営業)の疑い で、伏見区の不動産管理会社「長栄」社員(43)と東京都千代田区の旅行会社「新浪旅行」顧問(52)、山形市の旅行代理店「煌コーポレーション」役員 (48)の男3人と、3社を書類送検した。

府警によると、社員は5月2~25日、管理する右京区のマンションで、市の旅館業許可を受けず に1泊1室約8千~2万2千円でイスラエル人など観光客6人に部屋を提供し、旅館を営んだ疑い。顧問と役員は共謀し、7~10月、同じマンションで、同様 に有料で中国人計約350人を宿泊させた疑い。

府警によると、長栄は4月から、空き室だった1室を「民泊」に転用し、インターネットで宿泊者を集めた。新浪旅行の仲介で長栄と煌社がマンションの空き室36室の一括賃貸契約を結び、約3カ月間で約3千人が宿泊したという。

社員は「家賃を回収しないといけなかった」と容疑を認め、顧問は「金はもらっておらず、旅館ではない」と否認しているという。

まず、旅館業法上、ホテルや旅館に人を泊めてビジネスをするためには、営業許可が必要です。この営業許可を取らずに人を泊めてビジネスをすることは旅館業法上違法です。

どんなときに営業許可が必要?

では、どのような民泊だと営業許可が必要になるのでしょうか。

これについて厚生労働省衛生課に改めて確認したところ、以下の4つの基準を満たした場合には旅館業法の営業許可が必要で、無許可の場合には旅館業法違反になるとしているようです。

  1. 宿泊料を徴収している
  2. 社会性がある
  3. 反復継続性がある
  4. 生活の本拠ではない

旅館業法が適用されるかどうかは、これら4つの基準をもとに判断されます。旅館業法が適用されれば、人を泊めてビジネスをするために営業許可が必要となり、それがない場合には無許可営業として旅館業法違法になるということです。これは自宅の一部を利用するようなときでも同様です。

この基準にをもとに、先程の事件をもう少し詳細に見ていきましょう。

宿泊料を徴収している

京都市の事件では、一泊一室約8千円から2万円を受け取っていたようです。

では、どのような場合に「宿泊料を徴収している」と判断されるのでしょうか?

これは、名称にかかわらず、休憩料、ベッド代、クリーニング代、光熱費、清掃費等を徴収している場合が挙げられます。他方、食事代やテレビの視聴料を受け取っていても、それは宿泊費とは判断されません。

8千円から2万円となると、一般的な宿泊サービスの対価として妥当もしくは少し高いくらいといえます。このような点から、「宿泊料を徴収している」ものと認められたと考えられます。

社会性がある

「社会性がある」と判断されるのは、不特定の者を宿泊させる場合や、広告等により一般に募集を行っている場合などが考えられます。

事件ではインターネットを使って宿泊者を募っていたようです。これは、広く一般に募集を行っている場合といえるでしょう。例えばAirbnbに登録していると「社会性がある」と判断されることになるでしょう。

また、親族や友人という特定の人を泊めていたにすぎないのではなく、それまで顔も名前も知らないような人を対象としているのですから、不特定の者を宿泊させる場合といえるでしょう。

このような点から、「社会性がある」ものと認められたと考えられます。

では特定の学校などと提携し、外国人のホームステイ先として受け入れた場合はどうでしょう。この場合には「不特定」という言葉の捉え方次第では旅館業法の適用を受けない可能性もあるかもしれません。

反復継続性がある

事件では、2015年の5月2日から25日、また同年の7月から10月に人を宿泊させたとされています。

これは、例えば、一回だけホームステイを受け入れた等の単発的なものであれば、この基準に該当することはないでしょう。しかし、事件のようにある程度期間の幅が認められれば、この基準に該当する可能性が出てきます。

ただ、何日、何回未満ならOKで何日、何回以上ならNGというような明確な基準ではないので判断が難しいところです。

生活の本拠ではない

旅館業は人を宿泊させるものであり、そこに生活の本拠を置くようなものではありません。仮に生活の本拠を置くような形態は、旅館業ではなく賃貸業になるため、旅館業法の規制に服するものとはなりません。

生活の本拠でないと考えられる例として、使用期間が1ヶ月未満の場合が挙げられます。「宿泊か、賃貸借か」ということも同様の基準で判断されます。

今回の事件では宿泊者が外国人観光客でした。観光客であれば、ほとんどの滞在が1ヶ月未満でしょうし、生活の本拠も自身の国に有しているといえるでしょう。

旅館業法に違反するとどうなる?

これまで見てきたように、今回の事件のケースだと、4つの基準からすると旅館業法の適用があるといえそうです。

そうであるとすれば、営業許可がない限り、本来、人を泊めてビジネスをすることはできません。にもかかわらず、人を泊めてビジネスをしてしまった。したがって、この民泊は違法であり、事業者は摘発されてしまったということです。

摘発されれば、旅館業法違反として6ヶ月以下の懲役または3万円以下の罰金が科される可能性があります。

摘発の事例

実際に2014年以降、旅館業法違反で警察に逮捕されたり、事情聴取を受けるという例も出てきています。

2014年に東京都足立区で、住宅に無許可で宿泊させたとして、旅館業法違反の疑いで英国人男性が逮捕されたのを皮切りに、2015年には京都市内のマンションを無許可で宿泊をさせたとして、旅行業法違反の疑いで旅行代理店関係者の2人と管理会社の1人、計3社3人が書類送検されました。

「民泊元年」とも言われた2016年には、大阪市生野区で賃貸マンションを無許可で貸し出したとして、旅館業法違反の疑いで、韓国籍の女性、中国籍の男性及びその韓国籍の妻の計3人が書類送検されたり、東京都内の不動産会社とその親会社(上場会社)の2社と両社の役員ら6名が、民泊を無許可で運営したとして、旅館業法違反の疑いで書類送検されるなど、摘発の事例も増えてきています。

また京都市では、無許可民泊の実態調査を行ったり、2016年6月に通報窓口を開設するなどして、違法民泊への対策を強化しています。

今後取り締まりがより強化される可能性も充分にあります。

おわりに

民泊が違法かどうかはケースバイケースです。

民泊と一括りで言っても、無許可営業であるため違法なものから、そもそも営業許可が不要なものまで、幅広く存在します。

これから民泊を始めようと考えている方、もしくは既に始めている方には、その民泊が違法なのかどうか、不安がある方もいるでしょう。

「みんなやってるから大丈夫だろう」と安易に考えるのは危険です。

例えば上記の4基準に照らすと、Airbnbを利用した民泊のほとんどが、本来営業許可を取得するべきだと言えそうです。言い換えれば、Airbnbに登録されている施設のうちで旅館業法の定める営業許可を取得していないものの多くは、現在の日本の法律に照らせば違法の可能性が高いです。

参考までに、平成28年12月上旬の時点では、東京23区内にあるマンションの1室のみで簡易宿所の許可を取得しているケースはゼロです。

※平成29年2月追記。

北区のマンション1室で許可が下りたという情報がありました。これは他の区でも同様にマンション1室での許可取得ができるということにはなりませんが、少なくとも北区であれば可能性はあるということになりそうです。

となると「なぜ摘発されていないか」という疑問が出てくると思います。これは民泊については実態が把握しにくく、取り締まりが困難であるということなどが影響していると考えられます。

とは言え、さきほども述べたように違法民泊の取り締まりが強化される可能性もあります。

たしかに旅行業法違反は罰則が軽いですし、不起訴になる可能性もありますが、逮捕となれば報道され、氏名や会社名が公表されてしまうため、社会的なダメージを負うことになってしまいます。

もし民泊ビジネスをはじめる際には、違法と判断された場合のリスクを考慮した慎重な姿勢が必要といえるでしょう。

民泊ビジネスを適法に行いたいという方は、観光ビジネス専門の行政書士法人シグマに、お気軽にお問い合わせください。

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