大田区の外国人滞在施設経営事業特定認定手続き代行、簡易宿所申請手続き代行

ワンルームマンションでも…「民泊解禁」、ではありません。

2016年3月1日に以下のようなニュースが報道されました。(リンク先は動画が流れますので音量に注意してください。)

ワンルームマンションでも…「民泊解禁」へ

//headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20160229-00000075-nnn-soci

日本テレビ系(NNN) 2月29日(月)21時26分配信

外国人観光客に自宅などの空き部屋を貸し出す「民泊」の検討会が開かれ、ワンルームマンションの広さでも宿泊事業ができるよう政令を緩和して、今年4月1日に解禁する方針が示された。

民泊についてはこれまで、旅館業法の「簡易宿所」の営業許可の基準にもとづいて、客室の面積の条件や、受付の機能などが議論されてきた。「簡易宿所」では、客室の延床面積は一律「33平方メートル以上」が必要と定められている。

29日の検討会ではこれを緩和し、宿泊客が10人未満であれば、1人当たり「3.3平方メートル」の広さでよいとする政令の改正案が示された。バス・トイレなど他の条件が伴っていれば、ワンルームマンションの面積でも民泊の許可を得られることになる。また、緊急時対応の体制などを整えれば、受付業務を行うフロントを設けなくてよいとしている。

政府は今回の案に従って旅館業法の政令を改正し、今年4月1日から施行する方針で、事実上の「民泊解禁」となる。

簡易宿所許可のハードルは旅館業法だけではない

上記は2月29日の検討会の内容を受けての報道ですが、面積要件を緩和すればワンルームマンションで許可が取れるようになると読めてしまう内容になっています。

簡易宿所許可手続き徹底解説」でも説明していますが、これは正しい認識ではありません。

簡易宿所の許可取得に関する詳しい解説はこの記事を読んでいただければと思いますが、実際に簡易宿所の許可を取るときにクリアしなければならないハードルは、旅館業法だけではありません。

実は旅館業法よりも、建築基準法、消防法をクリアするほうが大変なくらいです。

建築基準法や消防法は、基本的に建物に対してかかる規制のため、建物の現況がその基準を満たしていない場合には、当然ながら基準を満たすような工事が必要になりますし、建物を建て替えないと満たすことができないなんて可能性もあり、現実的に対処できる範囲が狭いです。

建築基準法と消防法

これをマンションについて考えてみると、日本にある住居用のマンションというのは、当然のことながら「共同住宅」として使うように作られているので、その基準を満たすように作られています。この基準はマンションであれば簡易宿所の基準(建築基準法で言うところの「ホテル、旅館」の基準)とかなり近いのでクリアできる可能性があります。

しかし、消防法に関しては共同住宅とは異なる規制がありますし、建物全体でクリアしなければならないところなので、マンション1棟やフロア単位で取るならともかく、マンションの1室単位で許可を取ろうとしても現実的には対応が難しいでしょう。

※平成29年2月追記。

北区のマンション1室で許可が下りたという情報がありました。

これは他の区でも同様にマンション1室での許可取得ができるということにはなりませんが、少なくとも北区であれば可能性はあるということになりそうです。

管理規約と契約

マンションで民泊を運営しようとするのであれば更に考慮に入れなければいけないのが管理規約や契約の問題です。

分譲マンションであれば、多くのマンションの管理規約で、部屋を住居として使用するというルールになっているため、民泊として使用するためには、最低でも管理組合の承諾が必要となりますが、不特定多数の人が出入りする宿泊施設の運営が、分譲マンションの管理規約で認められる可能性はゼロに近いでしょう。

また、賃貸マンションであっても、部屋の賃貸借契約で、部屋の使用目的は住居となっているのがほとんどでしょうし、転貸も禁止となっていることがほとんどでしょう。

ただし、賃貸マンションに関しては、大家がOKと言えば契約内容の変更は可能なので、複数の同意を得なければいけない分譲マンションに比べると多少可能性は高いかもしれませんね。

ワンルームマンションでの「民泊解禁」までは時間がかかる

検討会でも、建築基準法や消防法に関する基準は緩和しない方針とされているようなので、今回の規制緩和でワンルームマンションでの民泊が解禁になるとは思えません。

実際東京都のとある保健所の担当者も、「法律の理論上はマンションの1室でも簡易宿所の許可取得は可能だが、現実的には不可能」との見解でした。その証拠に、平成28年3月中旬の時点で東京23区内で、マンションの1室で簡易宿所の許可を取得している物件はゼロです。

現在行われる見通しの規制緩和は、「床面積の条件の緩和」と「玄関帳場(フロント)を不要に」の2点ですが、Airbnbなどで主流のマンションの1室で行われているような民泊に関する影響は限定的ではないかと予想されます。

このような事情からも、しばらくは旅館業法違反の民泊を放置するという状況は変わらない可能性が高いです。テロ対策の観点などから警察が動き出すとこの限りでは無いかもしれませんが。

実際に民泊に対するルール作りが行われるには、旅館業法の抜本的改正、もしくは新法の制定を待たなければならないでしょう。これには数年は必要となりますのでまだまだ時間がかかります。

規制緩和の意味はある

ここまで述べてきたように、厚労省が今回の規制緩和で、マンションの1室での民泊運営を可能にしようとしたとは思えません。各所に配慮した結果、そのような形態の民泊に関してはほとんど実効性の無い規制緩和になってしまった観があります。

とは言え、今回の規制緩和によって、オフィスビルや一戸建てを使用したゲストハウスなど、簡易宿所の許可が取りやすくなり、事業設計の自由度が増すことは間違いありません。

一戸建てでの簡易宿所運営も民泊と言えますので、そのような面では民泊の規制緩和と言えるかもしれません。

これまでは許可が取れなかったケースでも、許可取得の可能性が出てきますので、「こんな施設を経営したいんだけど許可が取れるかわからない」などのご相談がありましたら、お気軽に行政書士法人シグマにご相談ください。

よくあるご質問

銀座オフィス

銀座オフィス