大田区の外国人滞在施設経営事業特定認定手続き代行、簡易宿所申請手続き代行

大田区と大阪府の民泊条例比較

民泊ができる地域」で紹介したように、平成28年1月現在、民泊についての条例を制定しているのは、東京都大田区と大阪府です。

大田区と大阪府は、それぞれ羽田空港、関西空港を擁しており、外国人の人気スポットの玄関口としての共通点があります。

では、大田区と大阪府で制定された外国人滞在施設経営事業に関する条例、いわゆる民泊条例について比較してみましょう。

条例の共通点

滞在期間

まず、滞在期間については両者、共に7日からとなっています。

この点について少し解説を加えます。

まず、国家戦略特別区域法施行令では、滞在期間を3日から10日までの範囲内において条例で定めるものとしています。

これは、最短の滞在期間のことで、両者とも7日としていることから、少なくとも7日は滞在してもらうことが必要となります。

つまり、最低でも6泊7日です。そして、これ以上の期間であれば上限は特にありません。

※本記事執筆時点では上記のとおりでしたが、平成29年12月に大阪府の条例が改正され、大阪府では最低滞在日数は2泊3日になっています。

立入調査権

また、両者ともに、立入調査権について規定しています。

これは、民泊については、衛生面や防犯面、近隣住民の不安など、様々な問題が想定されることを考慮して、大田区や大阪府の職員に対し、施設をチェックする権限を与えようとするものです。

特区民泊については様々な人の利害を考慮する必要があります。そのバランスを取るために、特に宿泊者や近隣住民のためにも、この権限はなくてはならないものであるといえます。

ただ、後述する罰則規定が存在しないため、立入調査にどれほどの実効性があるかには疑問が残ります。

罰則規定

また、条例に罰則規定がないのも共通点と言えます。

これはおそらく民泊の特定認定を取得せずに無許可で民泊事業を行った場合には、旅館業法違反になるため、罰則については旅館業法を適用すれば足りると考えている可能性があります。

とは言え、現在民泊条例が運用されていない場所も含め、違法なヤミ民泊が旅館業法違反で取り締まられているケースが少ないことを考えると、実効性には疑問があります。

これらが大田区と大阪府の条例の主な共通点です。

条例の相違点

他方、両者に細かな部分で相違点があります。

例えば、大阪府の条例には手数料についての記載があり、大田区にはそれがなく、大田区の条例には事業計画の周知についての記載があるが、大阪府にはそれがない、などです。

もっとも、これらは、条例を実際に運用する際に規則なりガイドラインなりで決められることでもあるので、それほど大きな違いとはいえません。

ただ、ここで、注目すべき点があります。

大阪府の条例にある手数料に関する部分です。

先程も言いましたが、手数料については大田区でも規則などで定められるはずなので、定められること自体がおかしいというわけではありません。

注目してほしいのは、その内容です。

まず、大阪府の条例の手数料についての部分をご覧ください。

(手数料)

第四条 法に基づく事務に関し、次の表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に定める金額の手数料を納付しなければならない。

区分 金額
法第十三条第一項の特定認定を受けようとする者 二一、二〇〇円
法第十三条第五項の規定により変更の認定を受けようとする者 一〇、五〇〇円(法第十三条第五項の変更であって、同条第一項の特定認定を受けた事業の用に供する居室と同一の施設内において当該居室と同一の規格の居室を当該事業の用に供するもの、居室の数を減少させるもの又は施設の構造、面積、設備及び器具の変更を伴わないものにあっては、二、五〇〇円)

これを見ると、「手数料が高い!」とか「思ったほど高くないかも」などいろいろな感想を抱くとは思いますが、注目してもらいたいのは別の部分です。

注目すべきは、表中の「特定認定を受けた事業の用に供する居室と同一の施設内において当該居室と同一の規格の居室を当該事業の用に供するもの」という所です。

言い換えると「民泊事業をしてもOKと認定を受けた人が、認定を受けた部屋と同じ施設内で同一規格の部屋を増やす場合は2500円でいいよ。」ということです。

これは大阪府では、分譲マンションで民泊事業を行うことが想定されているといえるでしょう。

分譲マンションでの民泊事業については、「分譲マンションと民泊」で詳しく書いています。

一方大田区では、平成28年1月7日現在の大田区ホームページによれば、

認定申請 20,500円
変更申請 (現地調査を行う場合)9,700円
(現地調査を行わない場合) 2,600円

となっていて、大田区の場合には、分譲マンションを想定していない可能性があります。

比較結果

このように見ると、大田区と大阪府の条例では、それほど大きな違いはありません。

それは、これら2つの条例が同じ法律(国家戦略特別区域法)を具体化するものであるため、その法の趣旨に反するものとなってはならないことが一因となっています。また、民泊条例自体、制定例がないため、手探りにならざるを得ないことなども考えられます。

大田区と大阪府は日本の玄関口としての共通点から、条例にも共通点がありますが、今後、その地方の独自色を出した条例がどこかで制定される可能性もありそうです。

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