大田区の外国人滞在施設経営事業特定認定手続き代行、簡易宿所申請手続き代行

簡易宿所許可手続き徹底解説

現状で民泊を合法的に運営するための選択肢のひとつとして考えられるのが、旅館業法に定められている「簡易宿所」の許可です。

昔は「ドヤ」などと呼ばれて、あまりイメージが良くない面もあったのですが、旅館やホテルに比べて許可が取りやすいこともあり、外国人向けのゲストハウスなどにも利用されており、住宅を転用して簡易宿所の許可を取得して民泊を運用しようという考えが一般的になってきています。平成28年4月には要件の緩和もされており、注目が高まっています。

ただ、Airbnbなどでイメージされるような、「マンションの1室を使って民泊施設を経営したい」というケースでは、残念ながら簡易宿所の許可を取ることは、特に東京都内では、不可能ではないかもしれませんが難しいです。理由は、許可の要件を解説する部分で説明しますね。

国家戦略特区法で定められた外国人滞在施設経営事業(特区民泊)との比較については、「特区民泊vs簡易宿所 徹底比較」のページで解説していますので、興味のある方はぜひこちらも読んでみてください。

というわけで、主に東京都23区内で簡易宿所の営業を開始するまでに、、どのような手続きを踏む必要があるかを、東京都大田区を例にとって詳しく解説していきたいと思います。

簡易宿所の営業を開始するための手続きには、大きく分けて4つのステップがありますので、要件を整理した後に、順に見ていきましょう。

許可の要件

簡易宿所は色々な法律の規制を受けます。

主なものは、立地に関する都市計画法、建物に関する建築基準法、消防法、建物の構造に関する旅館業法、条例などです。

実は住宅を転用しようというケースでは、旅館業法の前の段階で、都市計画法、建物に関する建築基準法、消防法等の要件をクリアすることが出来ず断念することがほとんどです。

立地に関しては「特区民泊vs簡易宿所 徹底比較」に少し詳しく書いていますし、その他建築基準法や消防法に関連する部分は「旅館業(簡易宿所)許可取得までの流れ」に書いていますので、興味のある方は合わせて読んでみてください。

また、候補物件で許可取れる可能性があるかの最初のハードルがクリア出来ているか自己診断できる簡易チェックシートを公開してますので、そちらも参考にしてください。

旅館業許可簡易チェックシート(PDF:126KB)

建物の用途

簡易宿所の許可を取るためには、原則として建物の用途が簡易宿泊所(旅館、ホテルであれば類似用途なのでOKです。)でなければなりません。

建物の用途がそれ以外の場合には、用途変更の手続きが原則必要となりますが、例外的に簡易宿所に使用する床面積が100平方メートル以下であればこの手続は不要です。

用途変更が不要だからと言って、簡易宿泊所の基準を満たさなくても良いというわけではありませんので注意が必要です。

マンションの1室で簡易宿所の許可が取れない理由

さきほど「特に東京都内においてマンションの1室で簡易宿所の許可を取ることは現実的には難しい」ということを書きましたが、その理由は、上記の中の建物に関する要件を満たすことが現実的には難しいということです。

建築基準法では、マンションは共同住宅と分類され、簡易宿所はホテルや旅館として分類されていますが、これらは多くの部分でかなり似通った規制内容になっています。なので、実はマンションと簡易宿泊所の建築基準はそれほど大きく変わりません。

ただし、容積率や窓先空地(避難経路)の問題もありますし、求められる防火性能にも差があるため、そのままで適合可能なわけではないことには注意が必要です。

ここまではマンション全体での話であって、マンションの1室となると非常に難しい話になってきます。

また、消防法に関してはホテル、旅館、簡易宿所といった宿泊施設には、共同住宅と異なる規制がありますし、建物全体で対応しなければいけない面もあるので、現実的には対応が難しいことも多いです。

また、法規制とは別の問題として、マンションの賃貸借契約や管理規約との問題もあります。

賃貸であればほとんどの場合が転貸禁止でしょうし、分譲マンションであれば部屋の用途は住居に限定されていることがほとんどでしょう。

このように2つの面から、マンションの1フロアを転用するならまだしも、「マンションの1室で簡易宿所の許可を取ることは現実的には難しい」ということが言えます。

ちなみに平成28年12月初旬の時点で、東京23区内において、マンションの1室で簡易宿所の許可を取得している物件はゼロです。

ただし、条件が整えば許可取得が可能なケースもあるかもしれませんので、どうしても諦められない場合には一度ご相談ください。

※平成29年2月追記。

北区のマンション1室で許可が下りたという情報がありました。

これは他の区でも同様にマンション1室での許可取得ができるということにはなりませんが、少なくとも北区であれば可能性はあるということになりそうです。

簡易宿所の構造基準

立地、建物の要件の他に重要なのが、設備に関する基準です。

細かい部分は自治体によって異なるのですが、今回例にとっている大田区ではこの基準をキレイに表でまとめてくれているので紹介します。

※図の一番上の項目の客室の床面積については、平成28年4月1日の法改正により、宿泊者の数が10名未満の場合には1人あたり3.3平方メートル以上というルールになりました。

元PDFファイルは大田区ウェブサイト「簡易宿所営業構造等基準(PDF:315KB)」で見ることができます。

この表の中で「条」「区規」となっている部分が自治体によって異なる部分ですが、東京都であればそれほど大きく違うことは少ないです。

実際に許可を取るときに問題となりやすいのは、床面積、玄関帳場(ホテルでいうフロントです)、トイレ・洗面所の数です。

特にトイレと洗面所に関しては、数を変更しようと思うとスペースを取るため、客室がかなり狭くなったり、それなりに費用がかかる部分なので、最近は安価に設置できるものも出てきてはいますが、ここの要件が満たせずに断念する方も多いです。

事前相談

ここまで紹介したような全ての要件をクリアできるかどうかについては、なかなか簡単に判断できるものではありません。

そこを判断するためにまず、申請場所・構造設備について、図面等を持参して、事前に管轄保健所などの関係機関の窓口に相談する必要があります。事前相談は許可不許可の見通しも含めた的確なアドバイスがもらえるので、これは以後の手続を円滑に進める上でも重要なステップといえます。

表面上は要件を満たさないようにみえる場合でも、よく保健所などと相談することで、許可が取れることもあるので、事前相談は必ずしっかりするようにしましょう。

また、保健所以外の関係機関にも事前に相談する必要があります。

相談すべき関係機関は以下の通りです。

建物の建築について 所管の建築確認担当
用途地域について 所管の都市計画担当
消防設備の設置・維持等について 所管の消防署
食事の提供について 所管の保健所 食品衛生担当
排水、下水等について 所管の下水道担当等
風俗営業に関連する場合 所管の警察署

もう少し具体的に説明すると、

  1. インターネットや都市計画課で用途地域を確認→OK
  2. 建物がホテル、旅館の用途に使えるかを建築確認担当部署、下水道担当部署、消防署で確認→OK(必要に応じて建物の用途変更や工事などをする)
  3. 食事の提供をする場合には飲食店営業許可が必要になるので、1,2と並行して、保健所の食品衛生担当部署に相談→OK
  4. 風俗営業が必要なキャバクラやパブを併設する場合には、1,2,3と並行して警察署に相談→OK
  5. 保健所に許可申請
  6. 許可取得

という流れになります。あちこちの窓口に行かなければならずなかなか大変です。

これら以外にも疑問や問題点等があれば、常に事前に担当機関に相談しましょう。

実際に事前相談に行く際には、必ず許可を取りたい物件に関する各種の図面を持っていきましょう。最低でも建物の平面図(トイレや手洗いなどが書き込まれているもの)が必要です。

なぜならば、図面を持たずに事前相談にいったとしても、一般的な回答しか得ることができず、ほとんど意味が無いからです。図面を持って行かないと具体的な相談はできません。

なお、特に建築基準法に関する部分は専門知識が無いと相談することもままならないことがほとんどですので、既に建物の用途が旅館やホテルで無いのであれば、宿泊施設に強い一級建築士に相談することをオススメします。

行政書士法人シグマでは、一級建築士による簡易要件調査のみのご依頼も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

申請手続き

事前確認が終わると書類の作成と収集です。

以下に紹介しているように申請には図面が多く必要になりますが、多くの場合には、建物を建てたときや配管工事をしたときの図面があるはずですし、改修が必要になることがほとんどのため、改修時に作成した図面を使用すれば問題ありません。

しかし、電機設備、空調関係や給排水設備など、建物の外観から見えない部分については、建築時のものなどが無い場合には建築士などに依頼して新しく作らなければいけないので、そのようなときにはかなりの手間と費用がかかります。

ただし、保健所によってはそこまで求めないこともありますので、まずは保健所に相談してみると良いです。

申請手続きには以下の書類が必要となります(東京都大田区の場合)。

  • 旅館業営業許可申請書
  • 構造設備の概要
  • 申告書(欠格事由に該当しないことを誓約するもの)
  • 営業施設を中心とする半径300メートル以内の見取図
  • 建物の配置図、正面図及び側面図
  • 営業施設の各階平面図
  • 電気設備図
  • 客室にガス設備を設ける場合にあっては、その配管図
  • 換気設備図又は空気調和設備図
  • 給排水設備図
  • 法人の場合は、定款または寄付行為の写し及び登記事項証明書(6か月以内のもの)
  • 申請手数料(16,500円)

申請手数料は各自治体により異なるため、事前に各自治体のホームページ等により調べることをお勧めします。

申請書が受理された後、保健所は関係機関に通知・照会をします。

その一つとして、消防機関があります。保健所から消防機関への通知を経て、消防機関から通知書が出されます。これにより、簡易宿所を営業しようとする施設が消防関係法令等に適合することが確認されます。

もう一つ、教育機関等に意見を照会することがあります。

これは簡易宿所を営業しようとする施設が、大学を除く学校や図書館、児童館等から100mの場所に設置される場合に限って行われる意見照会で、この場合には教育機関等から出される回答書を受理する必要があります。

施設の検査

施設が完成した後、保健所の職員が、当該施設が設備基準に適合しているかどうか等について検査を行います。

実際に物件に来て検査しますので、図面の内容に現況と食い違いがあったりすると、図面の修正などが必要になることがあります。

この際、建築基準法に基づく検査済証の写しを提示する必要があります。検査済証は、当該施設が建築基準法に適合した建築物であることを証明するもので、これを提示することにより建築法令に適合していることを確認します。

許可取得

書類審査及び検査により基準に適合していることが確認されると、保健所長により営業が許可されます。この許可がされるまで簡易宿所を営業することはできません。

検査から許可取得までは、大田区の場合は15日程度です。この期間は自治体によって異なりますが、多くの自治体では10日~20日程度です。

以上が簡易宿所の営業を開始するまでに必要な手続の流れです。

先程も書きましたが、関係機関への事前相談については、営業をしようとする施設の個別具体的な事情により必要な手続きが変わってくるので、不安な点があれば、些細なことであっても逐一相談しながら進めることが、円滑に許可を取得するためのポイントになります。

行政書士法人シグマでは、一級建築士とも連携して簡易宿所許可の取得手続きの代行サービスを行っています。民泊をはじめとして、簡易宿所許可の取得でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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